2025年秋冬トレンドカラーは「価値を翻訳するデザイン装置」──ブランド戦略での活かし方
- 深沢 光

- 4月6日
- 読了時間: 3分
更新日:7 日前
色は装飾ではなく、ブランドが 「どんな価値を持ち、何に向かっているか」 を社会に伝える言語です。特に中小企業では、地域資源・技術・素材・理念といった“目に見えない価値”を可視化する役割を担い、事業そのものの理解を促す装置となります。
2025年秋冬のトレンドカラーは アクセラレーション(加速) を軸に、気候変動・社会変化・再生・未来志向といった価値の揺らぎを反映しています。
本稿では、2025年秋冬トレンドカラーをブランド戦略の視点から活用し、デザイン経営における価値翻訳の手段として整理します。
デザインラボでは色を、デザイン経営の設計プロセスにおける “価値翻訳の手段” として扱っています。
2025年秋冬トレンドカラーをブランド戦略に活かす前提(社会背景)
今年は 「修復→加速→再構築」 という価値観の連続性が強まり、色にも以下が現れています。
社会変化 | 対応色 | ブランドへの示唆 |
環境負荷・気候変動への意識 | 深いダーク/アース系 | 「慎重な未来志向」を視覚化 |
テクノロジーと精神性の統合 | ネオン・光沢系 | AI社会で人間性を失わない表現 |
過去からの回収・原点回帰 | レトロカラー | 歴史・産地・文化の再編集 |
色は流行ではなく 価値観の変容を表す“証拠”。
色とブランドを結びつける設計プロセス
1. 企業の理念・世界観(Why)
2. 市場ポジション(Who / Where)
3. 行動や体験に落とす(UX / Story)
4. 色・素材・タイポグラフィ(How)
→ 色は最後に決める。戦略の答えとして浮かび上がるべき。

2. シーズナルカラー:短期テーマではなく、ブランド体験の「情緒レイヤー」
くすみ系パステル・クールブライト・深い癒し系ダークが中心。特に 魂を休める「陰影系」 が、体験価値をサポートする役割を果たします。
暗い色 → 疲弊→回復→再挑戦の物語を演出
レトロ系 → 文化・歴史・素材の再文脈化
光沢系 → 未来指向・技術・希望の象徴
色は「商品に乗る装飾」ではなく「ブランドの感情設計」。

3. アニュアルカラー:象徴色の戦略的使い方
長期的に活用できる色が4つ挙がっています。
Future Dusk|静かな宇宙感×再生
役割:未来志向・科学・精神性
使い方:ハイテク / 地方発×世界文脈 / サービスブランド
Transcendent Pink|温度・優しさ・共同体
役割:人と人の関係性を象徴
使い方:ケア産業 / 教育 / コミュニティ
AcTech O(※解釈例)|機能と自然素材の橋渡し
役割:サステナブル×実装技術
使い方:工芸・ローカル製造業・素材系ブランド
Rayflower|活力・太陽・環境再生
役割:ポジティブな再生
使い方:食・観光・エネルギー系
象徴色=ブランドの“旗”として長期運用できる色。

4. 長期的カラー:資産になる配色設計へ
ホワイト/グレー/中間色/クラシックベージュなど、流行に左右されず、再利用できる色が重要視されています。
中小企業にとっての利点:
ロゴ・Web・印刷物の統一コスト削減
長期の認知形成に寄与
新商品追加時の整合性が崩れない
短命な色から脱却し、資産として色を設計する時代へ。

参照:WGSN
この記事から次に進むステップ
色は“終着点”ではなく、価値を翻訳するための手段です。
▶ デザイン経営とは
まとめ
色=理念や価値を可視化する翻訳装置
2025AWは「修復→未来志向→再生」の三層構造
中小企業は“長期資産になる色”を採用すべき


