デザイン経営とは?中小企業がブランド価値を高めるための実践ガイド
- 深沢 光

- 4月13日
- 読了時間: 4分
更新日:11 時間前
デザイン経営は、中小企業の競争力を高めるための重要な経営戦略です。デザインを単なる装飾ではなく 「企業価値を生み出す経営資源」 として活用し、ブランド力やイノベーションを通じて成果創出につなげる手法です。
本記事では、デザイン経営の効果、国内外の成功事例、推進方法をわかりやすく解説します。
デザイン経営の主な効果
1. 利益向上
イギリスの British Design Council の研究では1ポンド(約187円)のデザイン投資が、4ポンド(約748円)の営業利益を生む と報告されています。デザインは「利益改善に直結する投資」であることが実証されています。
2. ブランド価値の向上
デザインは企業の世界観・思想・約束を顧客に伝えます。一貫したビジュアルや体験を設計することで、代替不可能なブランド価値を構築できます。
3. イノベーション創出
顧客の潜在ニーズや社会課題を捉え、新しい商品・サービスを生み出す力があります。「気づいていなかった課題の発見」から「新しい価値創造」まで、デザインが牽引します。
デザインの3つの意味(役割)
ビジネスデザイン(課題解決)デザイン思考を活用し、ユーザー共感を起点に課題解決のプロセスを進める。
プロダクトデザイン(形の設計)美しさだけでなく、機能・使いやすさと融合した製品を創造する。
エンジニアリングデザイン(設計工学)構造設計や性能を考慮し、求められる強度・機能性を実現する。
国内企業の成功事例
● 株式会社ソーキ(計測機器レンタル)
ロゴ・コーポレートカラーを一新しブランドを統一。視認性・信頼性が向上し、収益力強化につながった事例。
● 株式会社八幡ねじ(DIY市場のブランド構築)
パッケージとロゴ刷新により、グッドデザイン賞を受賞。新規市場への参入に成功し、ブランドの再成長を実現。
● 株式会社カンディハウス(家具メーカー)
創業50周年でリブランディングを実施。「ともにつくるくらし」を掲げ、地域・デザイナーとの共創を推進。
● バルミューダ(家電)
「使う体験そのもの」をデザイン。BALMUDA The Toaster はスチーム×温度制御により「焼きたての感動」を提供。
海外企業の成功事例
● Apple
デザインと体験の徹底追求で世界的ブランド力を獲得。
● Dyson
紙パック式に代わる革新的「デュアルサイクロン構造」を開発。ユーザーニーズから逆算した設計で市場を席巻。
● Samsung「The Frame」
テレビをアート作品として室内に溶け込ませる発想。インテリア性 × 高機能性 を両立。
デザイン経営の推進方法
1. デザイン責任者を経営チームに参画させる
CDO・CCO などを設置し、事業戦略の最上流にデザイン視点を導入。顧客起点の価値設計とブランド整合性を担保できる。
2. 推進組織の設置
社内に専門部署を作り、デザイン思考を全社的に浸透。部署横断で価値提供ができる体制づくりを行う。
3. 顧客の潜在ニーズ発見
共感インタビュー
シャドーイング
カスタマージャーニー
ペルソナ作成
顧客理解を深め、新しい価値の源泉を探る。
4. アジャイル開発の導入
仮説→試作→検証を高速で回し、スピード感のある価値創造を実現。
5. デザイン指標の設計
売上、CV、リピート率などの成果指標
アイデア数、開発速度などのプロセス指標
成果の可視化とチームモチベーションの向上につながる。
まとめ:デザイン経営は中小企業の競争力を高める成長戦略
デザイン経営は単発施策ではなく、企業全体がデザインマインドを持つことで効果が最大化します。
ブランド力の強化、顧客価値の向上、イノベーション創出など、中長期的に見ても大きなリターンを生み出す経営戦略です。
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