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インクルーシブデザイン

  • 執筆者の写真: 深沢 光
    深沢 光
  • 2021年12月6日
  • 読了時間: 5分

更新日:2024年11月24日

 インクルーシブデザインは、UXデザインの分野において非常に重要な概念です。これは単に特定のユーザーグループのためだけでなく、すべての人々が製品やサービスを利用できるようにするデザイン手法です。UXデザインの文脈でインクルーシブデザインを考えると、以下のような重要な側面が浮かび上がります。


UXデザインにおけるインクルーシブデザインの重要性

 インクルーシブデザインは、UXデザイナーが多様なユーザーの視点を取り入れ、より包括的な製品やサービスを創造することを可能にします。これは単なるアクセシビリティの向上だけでなく、イノベーションの源泉ともなります。


ユーザーベースの拡大

 インクルーシブな設計アプローチを採用することで、より多くのユーザーが製品やサービスを利用できるようになります。これは、ビジネスの観点からも重要で、潜在的な顧客層を拡大することにつながります。


ユーザー満足度の向上

 多様なニーズに対応することで、より多くのユーザーが快適に製品を使用できるようになり、全体的なユーザー満足度が向上します。


イノベーションの促進

 除外されているユーザーの課題に焦点を当てることで、新しい創造的なソリューションが生まれる可能性があります。例えば、Microsoftのインクルーシブコントローラーは、従来のゲームコントローラーでは遊べなかったユーザーのためのイノベーションを生み出しました。


UXデザインプロセスへのインクルーシブデザインの統合

 インクルーシブデザインをUXデザインプロセスに統合するには、以下のような方法があります。

1. 多様なユーザー調査

 UXリサーチの段階で、従来のターゲットユーザーだけでなく、多様な背景や能力を持つユーザーを含めることが重要です。これにより、幅広いニーズや課題を理解することができます。

2. インクルーシブなペルソナの作成

 ペルソナを作成する際、様々な能力や背景を持つユーザーを代表するペルソナを含めることで、より包括的な設計が可能になります。

3. アクセシビリティテストの実施

 定期的にアクセシビリティテストを行い、様々なユーザーにとっての使いやすさを確認します。これには、スクリーンリーダーの使用や、異なる入力デバイスでのテストなどが含まれます。

4. 柔軟なインターフェースデザイン

 ユーザーの好みや能力に応じてカスタマイズできる柔軟なインターフェースを設計します。例えば、フォントサイズの調整、コントラストの変更、音声コマンドの使用などの機能を提供します。


インクルーシブデザインの原則とUXデザインへの適用

 インクルーシブデザインには以下のような原則があり、これらをUXデザインに適用することで、より包括的な製品やサービスを創造することができます。

  1. 公平性: すべてのユーザーに同等の体験を提供します。UXデザインでは、異なる能力を持つユーザーでも同じ情報にアクセスできるようにします。

  2. 柔軟性: ユーザーの好みや能力に応じて製品をカスタマイズできるようにします。UXデザインでは、インターフェースの調整機能を提供します。

  3. 単純性: 使用方法が直感的で理解しやすいデザインを心がけます。UXデザインでは、明確なナビゲーションと分かりやすい指示を提供します。

  4. 認知性: 重要な情報が明確に伝達されるようにします。UXデザインでは、適切なコントラストと明確な階層構造を持つレイアウトを使用します。

  5. エラー防止: ユーザーのミスを最小限に抑え、誤操作による悪影響を防ぎます。UXデザインでは、確認ダイアログやアンドゥ機能を実装します。

  6. 省力化: 身体的負担を最小限に抑えます。UXデザインでは、タッチターゲットの適切なサイズと間隔を確保します。

  7. サイズと空間: 適切なサイズと空間を確保します。UXデザインでは、レスポンシブデザインを採用し、様々なデバイスに対応します。


UXデザインにおけるインクルーシブデザインの実践例


バンドエイド

 カラーにインクルーシブデザインを取り入れたBand-Aid製品がリリースされています。同時に消費者のことを第一に考えるというブランドメッセージを発信。


キューピーマヨネーズ

 イスラム教徒の方々が多い東南アジアのマレーシア、インドネシアでは、キューピーの背中の羽をなくし、顔と手だけのデザインになっています。イスラム教では、偶像崇拝が禁じられており、オリジナルの羽のついたキューピーは、天使と受け止められる可能性を考慮したものです。


TRIPP TRAPP

 北欧のデザイナー Peter Opsvikは、一生使える椅子をデザインした。TRIPP TRAPPと呼ばれるこの椅子は、生まれた直後から、大人になっても使える。全てのライフステージをインクルーシブにデザインされています。


カスタネット

 もともとは、男の子向けの青と女の子向けの赤が別々に存在していましたが、両方の色を合わせて一つにすることで、どちらでも使えるようにデザインをしたというものです。(現在では青=男性、女性=赤という概念自体がなくなりつつあります)


 インクルーシブデザインをUXデザインに統合することで、より多くのユーザーにとって使いやすく、魅力的な製品やサービスを創造することができます。これは単に特定のグループのためだけでなく、すべてのユーザーにとってより良い体験を提供することにつながります。UXデザイナーは、常に多様なユーザーの視点を考慮し、除外されているユーザーの課題に焦点を当てることで、イノベーティブで包括的なソリューションを生み出すことができるのです。

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