ヒューリスティックス
マーケティングの観点からユーザーが共感できる(売れる)仕組みの体系化としてヒューリスティックス(経験則)を紹介しています。
パレートの法則
イタリアの経済学者ヴィルフレド・パレートが、集団の報酬や評価の80%が20%に集中するという経験法則です。たとえば、売上の80%が、20%のチャネルから生み出されていることなどが挙げられます。
具体的には、10本のLPが存在し、効果的にCVRを上げる施策の際には、CVR上位20%のLPに集中して改善を行うと、サイト全体のCVRを上げることができるなどが挙げられます。
ヒックの法則
1951年にウィリアム・ヒックによって提唱された、ユーザーは十数個からなる多くの選択肢から1つを選ぶより、絞り込まれた数個の選択肢から1つを選ぶ方が早いとされている法則。これは、選択肢が多いほど迷ったり、選択肢が多すぎると何も選ばなくなるという現象を生み出します。
別名ジャムの法則とも呼ばれています。種類が少ないほうが購入率が高いことがわかります。
ヤコブの法則
ユーザビリティ研究の第一人者アメリカの工学博士ヤコブ・ニールセンンが提唱し、ユーザーはプロダクトやWebサイトなどに既存のものと同じような動作体験を望むという法則です。つまり、今までにないような真新しい動作体験は、ユーザーを混乱させるということを示します。
例えば、iPhoneの計算機デザインは実世界で使われている電卓を模して作られているため、全く何も知らない状態から操作方法を覚えなくとも早く使いこなせることなどが挙げられます。
フィッツの法則
1954年にオハイオ大学の心理学者ポール・フィッツが提唱、人間の行動をモデル化する方程式で「対象の大きさ」と「対象までの距離」と「対象の選択しづらさ」に関する法則です。具体的には、下記のような相関関係を説明するものです。
対象との距離
遠い ⇒ 選びにくい
近い ⇒ 選びやすい
対象のサイズ
小さい ⇒ 選びにくい
大きい ⇒ 選びやすい
パーキンソンの法則
イギリスの歴史・政治学者であるシリル・ノースコート・パーキンソンの提唱した法則。第1法則は仕事の量は、完成のために与えられた時間をすべて満たすまで膨張することを表現しています。第2法則は支出の額は、収入の額に達するまで膨張することを表現しています。
これはCVを高めるためにユーザーに制限時間を設けたり、いつまでにオーダーすると明日中に届くといったこともこの法則を応用しています。
ミラーの法則
アメリカのハーバード大学の心理学者ジョージ・ミラが提唱した、ユーザーが15秒〜30秒といった短時間で、正しく覚えられる情報の量は7(±2)であるという法則です。短期記憶においては、ユーザーが瞬間的に保持できる記憶のことで、数十秒しか保たず、また情報の容量の大きさにも限界があることを示しています。
具体的には、電話番号では大体ハイフンで2〜4つの数字を3つのかたまりに分けていますが、これは分けないよりも断然に記憶に残りやすくなります。
電話番号で10個の数字による1つのかたまり
0353425928 ⇒記憶に残りにくい
電話番号で2〜4個の数字による1つのかたまり
03-5342-5928 ⇒記憶に残りやすい
テスラーの法則
アメリカのコンピュータサイエンティストのラリー・テスラーにより提唱。どんなシステムやプロセスにも、減らすことのできない複雑さが存在するという法則です。 複雑さの保存の法則とも呼ばれています。
複雑な体験をユーザーに任せることは、自由による満足度を高められるのはある程度限界があり、これをプロダクト側で処理することで、ユーザーのストレスを大幅に減らすことが出来ます。
FBMモデル
「人の行動メカニズム」研究についての第1人者で、スタンフォード大教授のB.J.フォッグが提唱。ユーザーの行動や習慣というものは、3つの要素により構成されており、それを上手く活用することで行動や習慣をある程度コントロール出来るという法則です。
行動モデルの「3つの要素」
・行動をしたいというモチベーション
・行動することが可能である能力
・行動しようと思うトリガー
ドハティのしきい値
1982年にウォルター・J・ドハティとアラビンド・J・タダーニにより提唱。人間が認識→判断→処理→反応する際のスピードが、平均で0.4秒であることから、システムのフィードバックスピードを0.4秒以内におさめることで、ユーザーのストレスを下げるという法則です。
これは、ページのロードスピード、ボタンが反応するまでの時間、メニューが開くまでの時間などの基準として活用されています。
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