トキが戻る能登の里山に、デザイン経営は何を実装したのか
- 2 日前
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奥能登・珠洲の農業法人におけるブランド、採用、EC、デジタル基盤の再構築支援
2026年、能登の里山にとって象徴的な出来事がありました。能登地域で本州初となるトキの放鳥が進められたことです。
トキは、単なる希少鳥類ではありません。水田、湿地、里山、農業、人の暮らしが健全に循環していなければ生きていけない、生態系全体の象徴です。トキが戻る地域とは、生きものが戻り、人の営みが戻り、土地の価値が再び社会に認識される地域でもあります。
能登半島地震以降、奥能登の農業は大きな困難に直面しました。農地、水路、施設、道路、生活基盤、そして人材確保。農業経営に必要な条件の多くが同時に揺らぎました。
そのような状況において、地域の農業法人に求められるのは、単に元の状態へ戻す「復旧」だけではありません。地域の未来に向けて、事業をどう継続し、誰に価値を届け、どのような仲間と次の農業をつくっていくのかを再定義する「再設計」です。
私たちデザインラボは、奥能登・珠洲市の農業法人である有限会社すえひろ様に対して、約5ヶ月間にわたり、ホームページ、オンラインショップ、採用ブランディング、SEO、Google Business Profile、AIチャットボット、運用レクチャーを横断したデザイン経営支援を行いました。
この5ヶ月間で、計5回、各1泊2日で能登に滞在し、現地視察、経営者ヒアリング、農地や事業環境の確認、金融機関・地域支援機関との戦略擦り合わせを根気よく重ねました。
この支援は、見た目のよいWebサイトを制作することが目的ではありませんでした。むしろ本質は、能登の農業法人が持つ技術、土地、歴史、人、復興への姿勢を、現場での対話を通じて経営資産として再編集し、社内外に伝わる形へ変換することにありました。
デザイン経営とは、ロゴやホームページを整えることではありません。企業が持つ本質的価値を見極め、顧客、求職者、地域、金融機関、行政、取引先が理解できる言葉と体験に変換し、事業継続と成長の仕組みに落とし込むことです。
今回のすえひろ様の支援は、その実行事例の一つです。
現場に通い続けることから始まる、実行型のデザイン経営
今回の支援で最も重視したのは、遠隔で資料を見ながら方針を決めることではなく、実際に能登の現場に入り、土地の状況、人の声、農地の状態、経営者の迷い、地域の空気を直接確認しながら戦略を組み立てることでした。
約5ヶ月間の支援期間中、私たちは計5回、各1泊2日で能登に滞在しました。現地で農地や事業環境を確認し、経営者へのヒアリングを重ね、金融機関や地域支援機関とも連携しながら、ホームページ、EC、採用、ブランド発信、運用体制の方向性を一つひとつ擦り合わせていきました。
デザイン経営は、机上のフレームワークだけでは機能しません。
特に震災後の能登のように、地域のインフラ、農地、暮らし、採用、販売、心理的負担が複雑に絡み合う現場では、表面的な課題整理だけでは十分ではありません。
たとえば、「ホームページを新しくしたい」という要望の奥には、採用難、地域への信頼発信、復興過程の可視化、取引先への安心感、EC販売の再構築、若い世代へのメッセージなど、複数の経営課題が重なっています。
これらを切り分けながら、すえひろ様にとって本当に必要な情報発信とは何かを、現地での対話を通じて明確にしていきました。
現場に何度も通うことで見えてくるものがあります。田んぼの広がり、水路の状態、作業する人の表情、農地復旧の現実、地域の距離感、言葉にしにくい不安、そしてそれでも前に進もうとする経営者の意思です。
こうした情報は、オンライン会議だけでは掴みきれません。
だからこそ今回の支援では、単なるWeb制作ではなく、フィールドリサーチ、ヒアリング、戦略設計、情報設計、制作、実装、運用レクチャーまでを一連のプロセスとして捉えました。
5回の能登滞在は、単なる打ち合わせ回数ではありません。地域農業法人の未来を一緒に考えるための、現場理解の積み重ねでした。
デザイン経営における「デザイン」とは、見た目を整える前に、現場の複雑さを受け止め、経営者と共に意味を整理し、次の行動に変換する営みです。
今回のすえひろ様の支援は、まさにその実践でした。
支援の出発点は「売るためのサイト」ではなく「地域で生き残るための経営設計」
支援開始時、すえひろ様には大きく三つの課題がありました。
第一に、能登半島地震後の農地復旧と事業継続の課題です。農地の復旧計画、来期以降の作付け、スマート農業の導入、持続可能な生産体制の構築など、農業経営そのものの再構築が必要な状況でした。
第二に、採用の課題です。地方農業において、人材不足は単なる求人票の問題ではありません。「なぜ、この地域で働くのか」「なぜ、この農業法人に関わるのか」「農業を仕事にすることで、どのような未来に参加できるのか」という意味が伝わらなければ、若い世代や移住希望者には届きません。
第三に、ブランド発信と販売導線の課題です。奥能登・珠洲の米や豆、かぼちゃなどの農産物には、土地の水、土、気候、人の手が反映されています。しかし、既存の情報発信では、商品情報や説明はあっても、企業としての思想、農業の背景、人の温度感、地域との関係性が十分に伝わりきっていませんでした。
そこで私たちは、最初に「何をつくるか」ではなく、「何を伝えるべきか」を整理しました。
ホームページを作る。オンラインショップを整える。SEOを設定する。これらはすべて手段です。
重要なのは、すえひろ様という農業法人が、能登の再生と次世代農業の中でどのような存在になるのか。その輪郭を明確にすることでした。
5ヶ月間の支援ロードマップ
現地視察から、公開、運用内製化まで
今回の支援では、5ヶ月間を一つの実装期間として捉えました。
9月は、現地視察と経営課題の把握から始まりました。農地の被災状況、復旧計画、採用課題、今後の生産方針を確認し、金融機関にも同席いただきながら、5ヶ月間の支援ロードマップを策定しました。
ここで重要だったのは、金融機関、地域支援機関、事業者、デザイン支援者が同じテーブルにつき、単なる制作案件ではなく、地域農業の再生に向けた経営支援として方向性を合わせたことです。
10月には、WebサイトとECサイトの役割分担を明確にしました。公式サイトは、採用、ブランドストーリー、地域との関係性を伝える場。ECサイトは、商品販売に特化した場。この二つを混同しないことが、情報設計上の重要なポイントでした。
よくある失敗は、企業サイトに商品情報も採用情報も代表挨拶もニュースもすべて詰め込み、結果として誰にも深く届かないサイトになってしまうことです。
今回の支援では、公式サイトを「理解と共感の入口」、ECサイトを「購入と継続接点の入口」と位置づけました。
11月には、Wixによる公式サイト制作を進め、PC・スマートフォン双方の表示を調整し、公開前のSEO設定を実施しました。単にページを作るだけでなく、H1タグ、メタディスクリプション、検索キーワード、構造化の考え方など、公開後に検索エンジンから評価されるための基礎設計を行いました。
12月には、Wix公式サイトとBASEオンラインショップの方向性を確定し、AIチャットボットの実装、Google Business Profileの設定準備、ECサイトの構成案策定を行いました。
AIチャットボットは、単なる流行技術の導入ではありません。地域農業法人において、少人数で問い合わせ対応や情報提供を行うためのデジタル接客基盤として位置づけました。
1月には、独自ドメインの取得、Wixサイトの公開、Google Search Console連携、BASEでのEC運用開始、現地でのWix・BASE運用レクチャーを実施しました。
制作して終わりではなく、事業者が自ら更新し、発信し、販売し、改善できる状態へ移行することを重視しました。
ここに、デザイン経営支援の本質があります。
制作物を納品するのではなく、経営の中にデザインとデジタルを実装する。これが、私たちが考える実行型のデザイン経営です。
ブランドコンセプトは「耕す、紡ぐ、育てる。」
今回、すえひろ様のブランド表現において重視したのは、農業を単なる生産活動としてではなく、土地、人、技術、地域の未来をつなぐ営みとして表現することでした。
そこで整理したブランドコンセプトが、「耕す、紡ぐ、育てる。」です。
耕すとは、土を耕すだけではありません。震災後の地域で、もう一度未来を耕すことです。
紡ぐとは、米づくりの技術や地域の記憶、人と人の関係を次へつないでいくことです。
育てるとは、作物を育てるだけでなく、地域の担い手、顧客との関係、未来の農業の可能性を育てることです。
このコンセプトは、コピーとして美しいだけでは意味がありません。サイト構成、写真、色、書体、文章、採用ページ、EC導線に一貫して反映されて初めて、ブランドの体験になります。
トーン&マナーでは、「誠実・温かみ・再生・希望」を軸にしました。配色は、大地の緑、稲穂の金、空の白を基調とし、自然光、作業風景、人の表情、田園の空気感を重視しました。
書体や余白も、過度に装飾的にするのではなく、奥能登の静けさ、実直さ、農業の信頼感が伝わる方向に設計しました。
デザインとは、飾ることではありません。見る人が、その企業らしさを直感的に理解できる状態をつくることです。
今回のような地域農業法人においては、過剰な演出よりも、土地の空気、人の手、日々の営みが自然に伝わることが重要です。
採用ブランディングは「人手不足対策」ではなく「働く意味の設計」である
地方の農業法人における採用課題は深刻です。しかし、採用ページに「未経験歓迎」「アットホームな職場」「自然の中で働けます」と並べるだけでは、求職者の心には届きません。
特に20代、30代の若い世代や、都市部から地域への移住を考える人たちは、単に職を探しているだけではありません。自分の時間を何に使うのか、どのような地域に関わるのか、どのような価値を社会に残せるのかを見ています。
そのため、今回の採用設計では、「すえひろで働くということ」を中心に据えました。
仕事内容を説明するだけでなく、奥能登・珠洲で農業に関わる意味、地域と共に再生していく姿勢、米づくりを通じて自然と向き合う日々、社員や家族の声、農園の四季、仕事の一日の流れなどを構成要素として整理しました。
採用ブランディングで重要なのは、会社をよく見せることではありません。
働く前と働いた後のギャップを小さくし、共感する人が集まりやすい状態をつくることです。
農業は決して楽な仕事ではありません。自然条件に左右され、体力も必要です。だからこそ、美しい言葉だけではなく、現場のリアルを誠実に伝える必要があります。
そのうえで、「大変だけれど、ここで働く意味がある」と感じてもらえる導線を設計することが、採用におけるデザイン経営です。
公式サイトとECサイトを分ける意味
「売る前に、信頼を設計する」
今回、公式サイトとBASEオンラインショップは役割を分けて設計しました。
公式サイトでは、すえひろ様の理念、奥能登・珠洲の風土、栽培理念、農法の特徴、震災からの再生ストーリー、採用情報、地域との協働、農園の風景を中心に構成しました。
一方、ECサイトでは、お試し米、コシヒカリ、能登ヒカリ、ひとめぼれ、新大正もち、ギフトセット、能登産大豆・小豆・黒豆など、商品購入に必要な情報を整理しました。
この分離は、ユーザー体験上非常に重要です。
初めてすえひろ様を知った人は、いきなり商品を買うとは限りません。まず、「どんな会社なのか」「どんな土地で作っているのか」「信頼できる生産者なのか」を確認します。
その理解と共感があって初めて、商品購入やギフト利用、法人取引、採用応募、取材相談につながります。
つまり、公式サイトは信頼形成の場であり、ECサイトは購買行動の場です。この二つを適切に接続することで、ブランド認知から購入、継続的な関係構築までの導線が生まれます。
地域産品のECにおいて、価格や商品写真だけで勝負することは難しくなっています。全国には品質の高い米や農産物が数多く存在します。
その中で選ばれるためには、味や品質だけでなく、「誰が、どこで、どのような思いで作っているのか」が伝わる必要があります。
すえひろ様の支援では、この「買う理由」を設計することを重視しました。
トキの復活は、能登農業の価値を再定義する社会的文脈
2026年、能登地域で本州初のトキ放鳥が進められました。この出来事は、地域にとって大きな象徴性を持ちます。
トキは、水田や湿地に生息するドジョウ、カエル、昆虫などを餌にします。つまり、トキが暮らせる環境とは、生きものが豊かに存在する田んぼや水辺が維持されている環境です。
これは、農業のあり方と密接に関わっています。
石川県では、トキ放鳥を契機に、化学肥料や農薬の削減に加え、トキの餌場づくりに取り組む米づくりの認証制度を創設し、消費者の理解促進と米の付加価値向上を目指す動きが進んでいます。
ここに、地域農業ブランドの新しい可能性があります。
環境に配慮しています。地域を大切にしています。安全なお米を作っています。
これだけでは、十分に伝わりません。
重要なのは、それらの取り組みが、どのような地域の未来につながるのかを構造化し、顧客や社会が理解できる物語と導線に変換することです。
トキは、能登農業にとって単なる話題ではありません。里山、里海、水田、生物多様性、地域ブランド、観光、教育、移住、食文化をつなぐ象徴です。
トキが戻る地域で農業を続けることは、「環境と共に生きる農業」を社会に示すことでもあります。
ただし、ここで注意すべきことがあります。トキというトレンドに安易に乗るだけでは、ブランドにはなりません。
重要なのは、実際の農業、地域環境、栽培方針、担い手育成、販売導線が一貫していることです。言葉だけの環境訴求は、すぐに見抜かれます。
だからこそ、デザイン経営では、トレンドを表面的なキャッチコピーとして扱うのではなく、事業の実態と接続させる必要があります。
すえひろ様のように、能登の土地で農業を続け、震災後の再生に取り組み、スマート農業や人材育成を進める企業にとって、トキの復活は、自社の価値を社会的文脈の中で伝える大きな機会になります。
デジタル基盤は、地域中小企業の「経営の足腰」
今回の支援では、Wix、BASE、Google Search Console、Google Business Profile、AIチャットボット、Canvaテンプレートなど、複数のデジタル基盤を組み合わせました。
重要なのは、単に便利なツールを導入することではありません。小規模な地域企業が、自分たちで継続的に運用できるかどうかです。
高度なシステムを入れても、更新できなければ意味がありません。外部業者に依存しすぎると、日々の発信や商品更新が止まります。
逆に、現場が扱えるツールであれば、農作業の様子、新米の案内、ギフト情報、採用情報、地域イベント、メディア掲載などを自社で発信できます。
今回の支援では、現地訪問時にWixとBASEの運用レクチャーを行い、商品ページ作成や更新の考え方を共有しました。
これは、制作会社としての納品ではなく、経営支援としての引き継ぎです。
デジタル基盤は、公開した瞬間がゴールではありません。公開後にどれだけ運用できるか、改善できるか、社内に知見が残るかが重要です。
特に地域中小企業では、デジタルを「外注するもの」から「経営の一部として使いこなすもの」へ変えていく必要があります。
AIチャットボットの導入も同様です。すえひろ様の情報をもとに、顧客対応の一部を自動化することで、少人数でも問い合わせ対応や情報提供の質を高めることができます。
今後、農産物の販売、見学案内、採用問い合わせ、法人取引相談など、複数の接点で活用できる可能性があります。
デザイン経営の成果は、見た目ではなく「関係性の質」に表れる
今回の支援で生まれた成果は、単に新しいホームページが公開されたことではありません。
公式サイトによって、すえひろ様の理念、地域との関係、採用情報、農業の背景が伝わるようになりました。
BASEオンラインショップによって、商品販売の導線が整いました。
SEO設定とSearch Console連携によって、検索から見つけられる土台ができました。
Google Business Profileの整備によって、地域検索への対応が始まりました。
AIチャットボットによって、顧客対応の自動化基盤も整いました。
そして、現地レクチャーによって、事業者自身が運用できる状態に近づきました。
これらは一見すると、Web制作やEC構築の作業項目に見えるかもしれません。しかし、経営視点で見れば、それぞれが異なる関係性をつくっています。
顧客との関係。求職者との関係。地域との関係。金融機関や支援機関との関係。行政やメディアとの関係。未来の担い手との関係。
デザイン経営とは、この関係性の質を高める仕事です。
商品を売るだけではなく、なぜ選ばれるのかを設計する。求人を出すだけではなく、なぜ働きたいと思えるのかを設計する。地域を語るだけではなく、地域と共に進む姿を可視化する。デジタルを導入するだけではなく、経営に使える状態にする。
この積み重ねが、地域企業の競争力になります。
能登の再生に必要なのは、補助金だけではなく「伝わる経営」である
震災後の地域再生では、インフラ復旧、資金支援、人材支援が不可欠です。しかし、それだけでは地域企業の未来はつくれません。
どれほど良い取り組みをしていても、伝わらなければ存在しないのと同じです。
どれほど誠実に農業を続けていても、顧客や求職者、取引先、メディア、行政に届かなければ、次の関係性は生まれません。
能登の農業には、社会に伝えるべき価値があります。水と土、里山と里海、人の手、地域の記憶、食文化、生物多様性。そこに、トキの復活という社会的な文脈が重なっています。
しかし、その価値を経営に変えていくには、デザインが必要です。
ここでいうデザインとは、見た目を整えることではなく、価値を翻訳し、構造化し、伝達可能にし、行動につなげることです。
有限会社すえひろ様の5ヶ月間の支援では、まさにこの翻訳と実装を行いました。
震災からの再生を、悲しみの物語だけで終わらせない。奥能登の農業を、単なる産地紹介で終わらせない。採用を、人手不足の穴埋めで終わらせない。ECを、商品陳列で終わらせない。
それぞれを、地域と共に未来を耕す経営基盤として再設計しました。
これからの地域農業ブランドに求められること
今後、能登の農業ブランドに求められるのは、三つの力だと考えています。
一つ目は、地域の物語を正しく語る力です。
震災、復興、トキ、里山、農業、食。これらを安易な感動物語にせず、現場の事実と未来への意思として伝える必要があります。
二つ目は、顧客と継続的につながる力です。
新米の季節、ギフト需要、法人取引、定期購入、ふるさと納税、観光・体験、メディア掲載など、顧客との接点は一度きりではありません。
Webサイト、EC、SNS、メール、Google検索を組み合わせ、継続的な関係を育てることが重要です。
三つ目は、担い手を惹きつける力です。
地域農業の未来は、人材にかかっています。若い世代が「ここで働きたい」「この地域に関わりたい」と思えるように、仕事の意味、日々の姿、未来への可能性を発信し続ける必要があります。
トキが戻る能登の里山は、単なる自然保護の舞台ではありません。地域経営の新しい可能性を示す舞台です。
生物多様性と農業、復興とブランド、採用と地域共創、デジタルと現場。これらをつなぐことが、これからのデザイン経営に求められています。
デザインラボは、地域中小企業の現場に入り、経営者の思い、現場の課題、地域の文脈、顧客の体験を結び直し、実装まで伴走することを大切にしています。
デザイン経営は、会議室の中だけでは完成しません。
田んぼの風、作業する人の手、震災後の道、現地での対話、商品を受け取る顧客、求人ページを見る若者。そのすべてを見ながら、経営の形にしていく必要があります。
能登の大地と人の手で、未来を育む農業。
その価値を、社会に伝わる形へ変えていくこと。それが、今回の支援における私たちの役割でした。
そして、トキが再び能登の空を舞う時代において、地域農業のブランドづくりは、単なる販売促進ではなく、地域の未来をデザインする仕事になっていきます。




