2021年、再びダイバシティーやインクルージョンといった言葉が、ビジネスの現場でも多く使われるているようです。
広義で「共生」を表すこれらの意味は、一つの標準的な規格で効率的に大量生産のアンチテーゼとして、真の顧客目線へサービスや製品を目指す産業界においても、さらに超高齢化社会を迎える日本社会においても重要性が増しているように感じています。
この「共生」という概念により、人と社会をつなげるバインダーの役割がユニバーサルデザインだと考えます。
ウィキペディアでは、ユニバーサルデザインを文化・言語・国籍や年齢・性別・能力などの違いにかかわらず、出来るだけ多くの人が利用できることを目指した建築・製品・情報などの設計のことであり、またそれを実現するためのプロセスと定義しています。
ユニバーサルデザインの起源は、アメリカの建築家でノースカロライナ州立大学ユニバーサルデザインセンターの所長を経験したロナルド・メイス氏を中心にまとめられた「7つの原則」とされています。
この「7つの原則」下記の通りです。
原則1:公平な使用への配慮(Equitable Use)
原則2:使用における柔軟性の確保(Flexibility in Use)
原則3:簡単で明解な使用法の追求(Simple and Intuitive Use)
原則4:あらゆる知覚による情報への配慮(Perceptible Information)
原則5:事故の防止と誤作動への受容(Tolerance for Error)
原則6:身体的負担の軽減(Low Physical Effort)
原則7:使いやすい使用空間(大きさ・広さ)と条件の確保(Size and Space for Approach and Use)
この7つの原則に照らし合わせて設計された製品やサービスは私たちの生活の中に多く見ることができます。例えば原則1:公平な使用への配慮(Equitable Use)では、どのような人でも使用に対して平等に配慮されているセンサー付きの自動ドアーや原則7:使いやすい使用空間(大きさ・広さ)と条件の確保(Size and Space for Approach and Use)では、ベビーカーでも通れる幅の広い自動改札などがこれにあたります。
さらに、3つの付則があります。 付則1:耐久性と経済性への配慮
付則2:品質と審美性への配慮
付則3:保健と環境への配慮