デザイン経営とCDO
- 深沢 光
- 4月22日
- 読了時間: 2分
更新日:5月5日
デザイン経営とは
デザイン経営は、デザインを経営戦略の中心に据え、企業の競争力やブランド価値、イノベーション力を高める経営手法です。単なる見た目の美しさや装飾ではなく、ユーザー中心の視点やデザイン思考を企業全体の戦略や組織文化にまで統合します。顧客の潜在的なニーズや社会トレンドを捉え、直感的かつ先取り的に新しい価値を創出することが重視されます。
従来型経営との違い
従来型経営では、資金調達 → 組織編成 → ROIの確保 → R&Dやデザイン、という順に進められ、デザインは後工程に位置づけられていました。
デザイン経営では、デザインプロジェクトを起点に、組織づくり、マーケティング、技術開発を同時並行で進め、最後に資金調達を行うことで、部門間の連携が生まれやすく、プロジェクトもスムーズに進行します。
CDOによる将来ビジョンの構想
デザイン経営では「将来の生活や社会のあり方」を先取りして具体化するエンビジョン(実現するための構想を練ること)が重要です。CDO(最高デザイン責任者)は、潜在的な社会課題やトレンドを敏感に捉え、企業の枠を超えて社会全体の変化を直感し、具体的な製品やサービスの形に落とし込む役割を担います。ユーザー視点でのイノベーション創出、ブランド形成、経営と現場の橋渡し、組織内のデザイン文化構築、外部クリエイターの活用など、CDOがいることで、経営層の意図がデザインに正しく反映され、組織全体のデザイン力と競争優位性が強化されます。
デザイン経営は、ユーザー中心の視点とデザイン思考を企業活動の最上流から組み込むことで、新しい価値やイノベーションを生み出し続ける経営手法です。その実現には、CDOを中心とした経営とデザインの一体化、将来を見据えたビジョン構築、部門横断的な協働体制が不可欠です。
