最新サステナビリティーレポートでは、海洋保護の取り組み、生分解性や解体可能なソリューション、再生可能エネルギーについて取り上げます。
海洋保護の取り組み
企業も個人も海洋汚染による海が直面している状況への関心が年々強まっていますが、世界気象機関(WMO)によると、温室効果ガス(GHG)排出量、海面上昇、海洋水温、海洋酸性化の4分野でいずれも2021年は過去最高の記録を更新、世界の海は今“非常事態”に晒されているという報告があげられています。
横浜八景島シーパラダイス水族館は、海洋汚染とそれが生物にもたらす影響について多くの人々に知ってもらうために、海で回収されたプラスチックを使って制作したスノードームMicroplastic Globeを今年の世界海洋デー期間に公開しました。
繊維分野では、The Nordic Swanがエコ認証ラベルの評価項目に、ポリエステルやナイロンといった合繊素材の製品が排出するマイクロプラスチックの量を基準策定をし、ラベリングで可視化しています。
また、サステナブルな水産業を目指すMaine Ocean Farmsは、昆布から作られたロープなど、プラスチックに代わる素材を取り入れた漁具を模索しています。
生分解性や解体可能なソリューション
First Insightによると、ここ数年ベビーブーマーからZ世代まで様々な年代の消費者がサステナブルな製品をより積極的に購入するという傾向が強くなっているようです。技術の進歩により、完全に解体でき、生分解可能な製品も開発されています。
ニュージーランドで環境に優しいフットウェアを打ち出すスタートアップ企業Orba Shoesは、寿命を終えた後に完全生分解可能な世界初のスニーカーを開発。このGhostスニーカーは、全てのパーツが生分解性素材で作られています。
Nike ISPA Link(Improvise[即興]、Scavenge[資源・廃棄物の有効活用]、Protect[保護]、 Adapt[適応]の頭文字の略)は、接着剤を使わずに3つのパーツを差し込んで組み立てるデザインを特徴とすしています。このデザインによって、これまでリサイクルを難しくしていた接着剤を使用する必要性が無くなります。
オーストラリアのPOC Sportsは、製品の使用後に素材別にパーツを外してリサイクルでき、接着剤も使わないサイクリング用ヘルメットを開発しています。
再生可能エネルギー
国際エネルギー機関(IEA)によると、世界のエネルギー危機によって再生可能エネルギーの重要性に注目が集まっているとし、パンデミックによるサプライチェーンの混乱にも関わらず、2021年には再生エネルギー設備の出力が6%上昇して、過去最高を記録したことを報告しています。
米国のバイデン政権は、国防生産法を承認、外気から熱を取り込み室内を温めるヒートポンプを導入し、化石燃料への依存を断ち切ることで、再生可能エネルギー戦略の重要な1つに据え、強力に推進しています。
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