最新サスティナビリティー事例

最新サスティナビリティーでは、製品寿命を伸ばすための戦略、3Dプリンティングのイノベーション、微生物を利用した製造法について取り上げます。



製品の寿命を伸ばす


消費者は「多く買わずに長く使う」という考え方を取り入れるようになり、製品を最後まで大切に使えるようにする修理サービスや、2次流通のプラットフォームの増加など環境が整いつつあります。

Dylonの新キャンペーン"Re-Dye Don’t Re-Buy(買い直さずに染め直す)"では、現在意識的に服の購入を控えていると答えた人の数が全体の34%に上ったとしています。

カナダで展開するIKEAでは、キャビネットを養蜂箱に したり、バッグをプランターに変身させるなど、自社の製品を独創的に再利用する方法を記した Repurposeful Instructionsを配布しています。


微生物の産業利用

世界の産業廃水汚染のうち、20%はファッション産業の染色が原因とされていることから、英国Colorifixは、合成生物学を利用して微生物が生産した色素をテキスタイルに移し、定着させること

で水や有害な化学物質の使用を減らす取り組みを進めています。 また、米国MeliBioは、精密発酵を使ってミツバチを使わずに蜂蜜の代替物を開発、2022年のマーケットローンチを目指しています。

デンマークChromologicsも、この技法を応用して動物を使わずに食用着色料を生産しています。


3Dプリンティングで廃棄物を削減


廃棄物削減や現地生産体制の構築に役立てるため、様々な産業が3Dプリンティングを導入し、サステナブルな製品を提供しています。

食料品ではスペインCocuusは、Mimethicaと呼ばれる独自の3Dプリント技術を開発し、肉の構造を解析し、植物由来の原料を使ってその組織を再現することで、ステーキやサーモン刺し身にそっくりの食品開発に成功し、この技術の商用化を目指しています。

オーストリアEOOS NEXTは、スーパーマーケットから廃棄された7キロのプラスチックパッケージゴミを使用して、3Dプリント製電気三輪車「ZUV」を作成。将来的には、現地生産するための施設を世界中の都市に設置していきたいとしています。

インテリアではおがくずの層から木目を再現する米国Forustが開発した3Dプリントを使って、ホームウェアコレクションを制作しています。


ブロックチェーンによるトレーサビリティ


ブロックチェーン技術を使って製品の透明性を向上し、うわべだけ環境保護に熱心にみせるグリーン ウォッシングやゴミ問題に立ち向かう新たなプログラムが世界中で生まれています。

スウェーデンHoudiniは、YKKが開発したTouchlink™NFC(近距離無線通信)搭載ジッパーを組み込み、EON ProductCloudのクラウドサービスによってエンドツーエンドで接続できるパーカー「One Parka」を製作。 これにより再販、レンタル、サブスクリプション、リサイクルなどの循環型ビジネスモデルへ活性化を目指します。

ビューティーでは英国拠点のリテーラーCult Beautyが、Proof Pointsと呼ばれるシステムを導入し、製品情報の根拠をウェブサイトで開示しています。Provenanceのブロックチェーン技術を使い、各製品の情報が第三者機関によって認証されているものか検証することができます。

飲食分野では、Mondelēz Internationalが北米で透明性を高めるための新たな取り組みを実施。 クラッカー製品パッケージのQRコードをスキャンすると、小麦の産地から追跡でき、農場から製粉所やベーカリーまで小麦の全行程を辿り、焼き上がった日や小麦の生産に携わった127の農場主の情報も確認できます。


ゲームによる学習効果を利用


UN Green Game Jamは、ゲームを通じて環境保全に対する人々のモチベーションを高め、気候危機への意識向上を促す活動を行っている26のスタジオが参加。

また、中国に拠点を置くTencentの子会社TiMi Studio Groupは、東南アジア地域の大学と協力してGreen Game Jam for Youthを実施し、環境をテーマにしたゲームを作成する学生たちを支援しています。 インドネシアStairway Gamesが開発したCoral Islandでは、プレイヤーが地域の生態系を管理し、リサイクル施設を建設し、ゴミを回収するために海に潜り、石油掘削会社を撃退するといったタスクをこなす内容です。


サーキュラー・エコノミーは一部の集団だけではインパクトが出せません。多くの人に本質を伝え共感してもらうためには、最新のテクノロジーにより、グリーンウォッシュ(売上優先で見せかけや表面的なエコロジーサービスや製品)との違いを明確にすることが必要で、日本においても益々重要になってくると考えています。


参照:WGSNサステナビリティブレティン


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デザインラボ株式会社はこちらより。