【ファッションビジネスを専攻する学生への特別講義】アフターコロナにおけるブランドコミュニケーションの変化について



2000年4月にアパレルメーカーのレディースデザイナーとしてファッションの世界に飛び込んでから、メンズデザイナー、マーチャンダイザー、ディレクターを経てデザイン会社設立し、今年が20年目。次の10年に向けて本来ファッションがもつ「着る」「作る」「届ける」楽しさを自身の言葉で発信していきたいと初年度をスタートしました。

2020年11月、ファッションビジネスを専攻する学生に向けてブランドコミュニケーションをテーマにし


た特別講義を行なう機会をいただきました。今回はその内容を少しシェアできればと思っています。


【ブランドコミュニケーションの定義】

【ブランディングとは】

まずはじめに、ここでのブランディングとは、生活者に情報を発信する「ブランド」側が、伝えたいイメージを持ってもらうための、製品・サービスの本質的な価値表現と定義しています。


【ブランドコミュニケーション】

さらにブランド・コミュニケーションとは、企業が伝達したいブランド・アイデンティティを消費者に伝え、ブランド・イメージを形成するための一連のコミュニケーション活動のことをいいいます。


【ビフォーコロナのファッションブランド環境】

【実店舗の閉店】

実は、2019年のコロナ感染症前においても実店舗の閉鎖は加速していました。米国では、2017 年 5000 店舗閉店、2018 年 5500 店舗閉店、2019 年 9300 店舗閉店がアマゾンエフェクトを中心に向かい風であったことがわかります。日本国内では米国まで顕著ではありませんでしたが、実店舗閉鎖やSPAブランド撤退が進んでいました。

【衣料品の大量廃棄】 2018 年、英高級ブランドのバーバリーはブランド保護のために衣料品やアクセサリー、香水など2860 万ポンド(約41 億8000万円)相当の売れ残り商品を破壊・処分していたことが分かり問題になりました。2017 年、スウェーデンのH&M がデンマークで毎年12 トンの売れ残り衣類を焼却処分していることをデンマークのテレビ局が報道がしことで注目が集まりました。

【E- コマース市場の成長】

世界全体の2017 年のE コマース取引額は2兆3820億円で、1999 年1500億円と比較した際に約16倍。kornit degitalによれば2023年には6兆5400億との予想もあり、これからもグローバルでは成長が望まれています。

【米国におけるD to C ブランドの成長】

D2Cマーケットが進んでいる米国では、ユニコーン企業(非上場でありながら10 億ドル以上(約1,200 億円)の評価額をほこるベンチャー企業でこと)が、アメリカではこれまで8 社誕生しています。

【アフターコロナのファッションブランド環境】

【不要不急産業の衰退】

今年第一波コロナ禍においては、不要不急産業の3 月~6 月80% 減少ということで非常に衝撃的でしたが、この流れは完全に戻ることはないとも予測されています。

SOURCE:経済指標動向( 特定サービス産業動態統計調査、売上高前年同月比)

【大手アパレル減収減益】 この不要不急の流れから大手衣料・靴小売店も影響がありました。矢野経済研究所のよれば、4月〜6月における大手13社中12社が昨対比で減収という結果となりました。

【E コマースの躍進】 一方で、2020 年の第一四半期のEコマースの伸びは昨対比で20%の成長率となっています。これはアマゾンや楽天をはじめとした大手モールの躍進が大きく影響していると言われています。

SOURCE:kornit digital

【新たなマーケットの誕生】 コロナ禍では新マーケット創造や既存マーケット変化が見られ、アパレルマーケットにおいてはマスク市場が誕生し、ミズノのマスク「マウスカバー」の追加販売が応募者多数のため抽選となり、ヨウジヤマモトがマスクとT シャツセットを発売、アンダーアーマーがアスリート向けマスクを販売するなど話題が集まりました。また、ハンドメイド市場が好調で、ハンドメイドEコマースの「エッツィー」では売上前年比+35%といった動きがありました。

SOURCE:MIZUNO「マウスカバー」

【環境問題への意識の高まり】 極端な気温や降水、発達した低気圧の増加などに象徴される異常気象を契機に海面上昇、海の酸性化といった環境破壊への意識が高まっています。このような状況で、アパレル産業は、世界で一番CO2 を排出する「石油産業」に次いで、世界第2 位のCO2 排出量と言われており、世界の10%を排出しているとされています。また、排水量は世界における全産業の20%とも言われ、業界と消費者における環境意識への高まりが増加しつつあります。

SOURCE:THE DETOX CATWALK

【シーズンレス・シーンレス・トレンドレスの標準化】 シーズンレスでは、North Face は着用できる全気候対応型のアウターを展開。シーンレスではHILL CITY のアパレルはトレーニングやトラベルなど日々のあらゆる状況に対応。セレクトショップ「レショップ」が展開する「エルイー」はニューベーシックの打ち出しによるトレンドレスを提案などファッションの新たな動きが加速しています。

SOURCE:HILL CITY

【拡大する2次流通】 2次流通の中古市場は、今後10年以内にファストファッション市場の1.5倍まで拡大すると予測されています。


【アフターコロナのブランドコミュニケーション】

【体験を重視したブランディング】

ブランディングの領域が広がひろがり、従来の視覚情報である企業理念といったコーポレートアイデンティティやロゴ、パッケージデザインなどのビジュアルアイデンティティだけではなく、どう体験してもらうかというエクスペリエンスアイデンティティの領域まで広がっています。よい体験ができると期待を持った人が増えれば手に取られるタイミングも増えることで、顧客獲得コストは下がり、LTV(ライフタイムバリュー)は高まり、結果的に企業は経済的なリターンを得られることになります。 たとえば、コロナで新規参入したEC 初心者の顧客にもオンラインでもVR(バーチャルリアリティー) で仮想の売り場を構築し、店舗と同じ接客することでEC で買いやすい環境を提供することなども、体験を高める施策となります。

【オンラインでのマーケティング戦略が必須】

OMO(オンラインマージオフライン)のように顧客目線で、デジタルによりオン・オフのチャネルを融合し、よりよい顧客体験を提供していく考え方が重要となります。このようにデジタル化を前提に顧客との接点である小売販売を実店舗主体のブランドはEC化へ比率を高め、リアルと実店舗の役割をウェブルーミング、ショールーミング、ピックアップストアー、EC 倉庫といった変化が求められます。

【より快適でシームレスな顧客購買機会】 購買においては、ヘッドレスコマースといった顧客のニーズに合わせた様々な快適なタッチポイントを創出することで、「商品を知る」から「購入する」をシームレスに繋げることで多様化した顧客ニーズに沿った「売り場」を考えることが重要になります。

デザインラボ株式会社では、D2Cブランドや地域ブランドの様々な要望に応えた「ブランディング」「マーケティング」「デザイン」をご支援しています。お気軽にお問い合わせください。

https://www.dil.jp/

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地域ブランディング支援 奈良大和郡山靴メーカーの作る革小物

https://note.com/designlabo/n/n41a008d83e94

ブランディングの流れ

https://www.dil.jp/post/%E3%83%96%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%87%E3%82%A3%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%81%AE%E6%B5%81%E3%82%8C



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